現在スペインのピソでエクアドル人ご家族と共同生活。エクアドルからスペインに移ってはや20年以上のご家族。
生活の話は後回しにして、高校生の息子さん、1週間前から声がかれていた。風邪だ~と思って見てたが、さすが若い男性。寝込むことなく試験勉強と部活に出かけ完治していた。
話を脱線する。
スペインの勉強事情はわからないが、この高1の息子さん。可哀相なくらい試験がある。入居したのが10月で、ほぼ毎週試験。お母さんにもよく怒られている。
「電話してないで勉強したの!?」
「勉強中でもご飯は食べなさい。なんで作っておいたの食べてないの!?」
羊のスペイン語能力は幼稚園児なみだが・・
頭でなくて心で理解できる!!何を言われているか!(笑)
さて、高校生は徹夜しても元気な年齢なので問題ないが、大黒柱のお母さんに風邪がうつった。のどがガラガラで声がでていない。
エクアドル人、お母さんの風邪療法①
「羊~私声が出ないの。声が汚い~」
「休んだ方が絶対いいよ。温かいもの飲んで。生姜とか」
「マンサニージャを切らしてしまったのよ」
「私もってる。以前は私がもらったし使って使って~」
マンサニージャ(Manzanilla)とはカモミールの事で、以前私が胃炎になった時に「飲みなさい」とカモミールティーのティーバックをくれた。申し訳ないので、自分でも買ってストックしておいた。美味しいかなと蜂蜜入りを買ったので、甘く、和食に合わず、大量に持て余している。
ありがとう~とお母さんが作り始めた万能らしいドリンク。
カモミールティー(Te de manzanilla)
カモミールティー+蜂蜜+レモン汁
エクアドル人、お母さんの風邪療法②
次の日、習い事に行こうとすると、ちょうどお母さんが病院から帰ってきた。見てみてと見せてくれたのは
「のどに塗る?スプレーする?蜂蜜の絵柄のもの」
・・・なにこれ?
「病院で処方してもらった。とにかく三日は寝なさいと言われた」
「仕事は休める?」
「3日はお休みもらうわ。仕事にならないから」
お母さんのお仕事は話すのがメインなので、声がでなければ無理だろう。
流石に休みはもらえるのかと安堵した。・・人手不足らしく休みは日曜のみ(時折日曜も出勤)で、基本朝8:00~16:00頃までだが昼食休憩は10分らしい。
・・・漆黒じゃないか。
「12月からは土日休みにしてもらう。体がもたない」
と嘆いていたが、そりゃそうだ。
「部屋に濡れタオルを干して加湿した方がいいよ。空気乾いてるから」
マドリッドのアパートは基本セントラルヒーティング。極度乾燥(某ブランドみたい)、自分でスイッチを入れる事が出来ず、夜には消される(自動的に)。夜が一番冷えるのに何の意味があるのか・・私はセントラルヒーティングは大嫌いです。本当に乾燥して、部屋干しの服がすぐ乾く。日本の炬燵は最強だと思う。
ちなみにヨーロッパの人には極東3カ国の違いはわからないので、「日本には床暖房があるんでしょ?TVで見た」と言われた。「それはたぶん韓国のオンドルバンで、日本には基本ない。日本は縦に長いから地方によって全く違うし」と説明した。
「加湿は大丈夫。ボウルを置いてるから」
お母さんの加湿法。ボウル(洗面器)にお湯を張ってベッドの下へ。
エクアドル人、お母さんの風邪療法③
「〇〇〇〇に行ってきた?温まるから行った方がいいよ」
「さっき行ってきたわ。今日は時間があるから」
マドリッドで私たちが住む住宅地には〇〇〇〇というマッサージ屋がある。
以前私が肩が痛いと言ったら「一緒にいこう」と連れて行ってくれた。
「何ユーロするの?」
「フリー!大丈夫」
「????」
お母さんも英語を勉強中だし、私の翻訳能力も低いし・・勘違いかな?と思いついて行ったら・・本当に無料だった!
初回はシーツを貸出。2回目からはシーツ持参で、マッサージベッドに自分でシーツを引いて30分機械にあたる。「背骨がゆがむのが万病のもと」という考えのもと、背骨に中心的に当ててくる機械で、汗ばむほどに温まる。
行ったらスタッフさんに番号札をもらい、順番がくるまでみんなで背骨についてのビデオを見る。待ち時間も30分程度。
「1日に何回来てもいいのよ。今回は私が連れて行ったけど次からいつでも一人でいける。みんなで紹介するの」
・・・天国ですか。
説明してもらったが、何故無料で運営ができているのかは今一わからなかった。以来、ちょくちょく通っている。紹介制と言う事なので、ネットに書いてよいかわからず・・名前はふせておく。
興味ある方は誰かに紹介してもらってください。
調べたら日本でも販売していた。数十万で整体院など企業向けに。
お母さんの治療法。温感マッサージ器で体を温める
風邪で病院に行ったら
そして、この風邪は順に家庭内を回り、ついに私の番になった。
鼻水、咳、のどの痛み、寒気という典型的風邪症状で病院に行ったら、薬は最小限で治療をアドバイスはしっかりされた。
Dr「あなたの風邪は抗生物質は必要ないから大丈夫」
抗菌薬の乱用は耐性菌を増やすだけなので、この考えは好き。日本でも抗生物質の出し過ぎは言われているが、現実まだまだ安易な処方が多いと思う。
Dr「喉の痛みにはボウルにお湯を張って、蒸気の上ですーはーする」
羊「Si。(・・マスクじゃダメなのか)」
Dr「喉も冷やさないように。ストールか何かまいて喉を保護」
羊「Si。(・・効果あるんか?)」
ついでに言ってみた。
羊「便秘薬欲しいんですが」
Dr「毎日リンゴを食べて、白湯も朝に飲みなさい。お腹を冷やさないように」
・・マジか。
最小限の薬が出た。金銭的には旅行保険に入っているのでどうでもいいが、このDrのスタンスは好きだった。スペインでも人によるとは思うが、安易に薬を出さない所が。
ちなみに羊の嫌いな医者タイプは①薬・治療の説明をしない(「お薬だしときますね」の一言も含む)、②患者の話を聞かない、③自己治癒に関するアドバイスをしない。である。
インフォームドコンセントが一般化してきた今、こういう医者は絶滅して欲しい。そして、ヨーロッパでマスクとカイロが普及してほしい。
スペイン人Drのアドバイス
朝一の白湯とリンゴは最強。
ボウルのお湯で加湿。
首元は温める。
日本との違いと感想
もちろん、人それぞれ違うと思う。スペインでも掃除機が売っているけど、うちではほうきとモップを使っているように、かなりアナログ。
ただ見ていて・・
「おかゆやうどんや鍋があり、お風呂文化があるって、ありがたいんだ」
と、改めて思った。
そして・・自分が風邪引いたらどうしよう、と。
お母さんはスープ(米やパスタ入り)で温まっている。エクアドルは米文化なのでパンも米(長細い)も毎日作ってるが、スペインはパンの国で米はパエリアくらい。スープに米やパンを入れたものが基本になるが・・
私はそれでは辛い(泣)
日本ではコンビニで米もインスタントスープもおかゆもウィダーも買えるが・・バルの食事は風邪の時は無理。
健康第一。そして米と乾麺のストックは切らさないようにしようと固く誓った。
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