羊の世界放浪譚

女一人旅・ワーホリブログ❤︎現在色々工事中。

ヨーロッパでコロナに包囲されたお(泣)その1:アジア人差別

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 超久しぶりの更新です。

書きたい話は溜まってるんです。ウクライナでのホームステイやよくわからんロシア人とか、絶賛喧嘩中のトルコ人が日本の入管にお世話になった話とか、中国人とイタリアで中華食べてたらパスポートからクレカから全部盗まれた話とか。

ろくな目にあってないですね、我ながら。もう今年は厄年なんだと思います。

それらはいずれ書くとして・・コロナですよ。日本も酷い目にあってるのは知ってるけど、ヨーロッパ在住組はもっっと酷い目にあってます。とは言っても中国在住者に比べたら・・多分マシ。。

 

今のヨーロッパに旅行にきちゃダメですよ。絶対にダメ。というか旅行とか出来たらしない方がいい。

仕事やめて、資金もあって、保険に入ってる放浪者のみ、日本帰国と海外で様子見とを経済的・衛生的に天秤にかけて考えた方がいい。

週末ちょろっとなんて愚の骨頂。・・何故なら・・

 

最悪、閉じ込められるから。

 

 

 

先に薬剤師からのお願い

もうこっから通常運転の軽口と独断と偏見を一方的に書いていきます。

いままでぼかした書き方してましたが、当方薬剤師。海外ではニートだけど、日本では一応医療従事者。ので、視点はぶっちゃけ医療従事者擁護寄り。

もうね、検査しに病院とか行かねえでくだせ。オラたちじゃまかないきれんだよ。なんぼコロナを怖がっても病院の待合室なんて菌だらけ、いくらマスクをしてても手とか色々触るでしょ?それで顔とか髪とか触ったら意味ねえだよ。

病院には必要最低限、重症の人だけ行って、軽傷でコロナの疑いありなら自宅から電話相談した方がよっぽど安全です。

 

今はそんなアホいないと信じるけど、薬剤師してたとき何回

「なんでお前は人と話す時にマスクしとるんや!外せ!」

って怒鳴られたか。インフルの時期とかこっちはワクチン(全額会社持ち)打って仕事してるんだぜ?それでも私は毎年患者からもらってたぜ?だって1日何人も患者くるし、親切な薬剤師としては難しい吸入器を間違った使い方されて効果ゼロにされるくらいならその場で指導して吸ってもらった方が確実じゃん。それを何人にもやってみ?そりゃうつります。

で、そのインフルだけどまだ潜伏期間の薬剤師が発病して気付くまで患者にうつしてくのよ。それを防ぐためにマスクしてるんです。だいたい会社がわざわざ配るのも医療従事者がバタバタ倒れたら店を開けられないからです。

 

何が言いたいって、コロナも同じです。コロナはインフルより感染スピードがかなり高いけど、致死率は・・まだはっきりしたデータが出てないですね。インフル以下って記事もあれば10倍とか不安を煽るものもある。

「私はマスクが手に入らないのに薬剤師や店員がマスクしてるくらいなら売ってくれたらいいのに」

は、無理です(`・ω・´)!もし店員がマスクをしていたら、それは感染の輪を広げないために必要だから。で、自営業や小売業やられている方はわかると思うけど、会社支給のものを仮に余っていても売る事はできないの。それが出来るなら製薬会社からもらったサンプル売るわってなる。

ひとりでも多くの人に適切な医療を届けるために、相談は大歓迎だけど邪魔はしないでください。あと、日本人に多い「労働時間を増やして辻褄をあわせる」を求めないでください。免疫弱って感染して倒れて更に医療の質が下がります。

今は無料のオンライン相談のサイトとかも調べたらあるので、普段の相談や急ぎでないものは在宅で安全にできますよ!

 

 

中国で始まったお

さて、1月。イタリアで貴重品全て盗まれた羊はとぼとぼマドリッドに帰ってきた。パスポートはイタリアで即日発行してもらえたので、カードとかの手続きをひたすら進めながら。

私はデンマーク のWHビザでちゃっかりスペインにいる。勿論ビザの案件を満たす範囲でデンマークにもいたから合法。そしてそのビザは4月に切れる。

コロナは2019年末に始まったそうだが、最初は気にもしていなかった。というか、記憶にないので、さほどニュースにも上がって無かったと思う。

1月から中国でコロナが出始め、あっというまに拡散。つい先日まで話題にならず、私はむしろアメリカvsイランの第三次世界大戦が開始されるかを気にしてた。当方トルコと中央アジア大好き、開始されるとまた行けなくなる。

注目を大して集めなかったのは中国の情報操作もあるかもしれない、知らんけど。気付いたら中国であっという間に拡大し、日本、韓国にも広がり始めた(うろ覚え)

 

ローマで仲良くなって1日一緒に観光して四川料理食べに行った友達Nは上海近郊。

羊「車で2時間は近郊じゃないよ!」

N「中国は大きいから、中国では近いっていうんだよ」

武漢からはかなり離れているが、一応What's Appで連絡を取った。もう、受信にすらならない。これは確実に中国のせいです、ローマにいる時から「中国に帰ったら次に出国するまで連絡取れないと思う」と言われてた。

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一緒に食べた四川料理。ローマにありながら客は9割9部中国人の中に日本人。

出身国の人間が集まる店ほど美味しい。パスタやピザよりここに通った羊はアジアに住むべき人間笑

 

連絡が取れないものは仕方ない。自分の今後を考えなければいけない。ニート羊、貯金額はもう底が見え始めている。

スペインにこのままいるか、日本に帰るか・・とりあえずカナダのWHだけは確保するか。と手続きを進めながら、ブレクジットのおかげで例年よりも遅れて1月末に始まったイギリスの通称ワーホリ 、正確にはYMSの抽選にも応募した。

 

・・受かった。

 

YMSの倍率知ってる?10倍だよ!?絶対受からないと思ってたから、3月いっぱいでアパート引き払って、中央アジアを旅行しながら日本に帰って、日本で再度出稼ぎ(薬剤師)してからカナダ行くかとか考えてた。つまり、この時期は全然旅行が出来た。

急遽自分のニートプランを練り直し始めた。

 

 

 

2月。アジアに蔓延したお

喜びにひたるなか、コロナは急速にアジアに広がり、日本でも発症し始めた。といっても、私の記憶が正しければ日本の主な蔓延はイギリス籍(これ重要)のクルーズ船からだ。北海道が最初にひどい事になった時に、北海道だけで収束すればよかった。けど、やっぱり甘く見てた。海外にいて、実際の空気感に触れないまま同じニュースの繰り返しとネットのコメントのみを見ていると、パニックになってるのではとどんどん危機感だけ煽られていく。

ストレスでいっぱいになるなか、親に連絡すると冷静だった。そもそも北朝鮮がミサイル打ってた時も冷静だったので、そういう親なのかもしれない。ニュースを見る量を減らした。

どれだけネットに張り付いても、海外にいるので出来るのは募金(始まったら)くらいしかない。

 

感染症や防疫の話好きとして一意見。日本は島国だから他の国よりも圧倒的に封じ込めが得意な土地柄。世界中で恐れる狂犬病が日本では心配ないのは封じ込めが成功しているから。こういうワクチンは自分がだけでなく、周りに蔓延させない為にも対象者全てが打たないと意味がない。風疹もポリオも同じ。最近は危険性がないんだからやめたらいいじゃん、じゃない。卵と鶏じゃないけど、みんなが打ってるから最近は聞かないの。そこに「うちの子には打たせません!」なんて人がいるとどこからか持ち込まれた時にその子から周りに移るの。抗体を持つ人ならいいけど、ワクチンを打っても全員が抗体を作れるわけじゃない、そういう人を殺してしまいます。

 

封じ込めとして北海道、沖縄は有効だと思う。本土との連絡手段が少ないから、最小限の行き来に、検疫して・・としたら。逆に本土で蔓延してしまっても、北海道と沖縄にだけは入れない!と頑張れる。

 

連日クルーズ船の報道と、海外でのアジア人差別の報道を見る。ヨーロッパでは人ごとだから差別に関してはさほどみない。でも日本のニュースサイトでは連日やっていて、正直外出がどんどん怖くなっていった。元々外出は自宅近所と習い事だけだったが。

 

中国では一気に全土に広まり、隣国韓国は後に続く形になり、一気にアジア全土に渡った。そしてイランとイタリアで始まった。私が イタリアを旅行したのは12月、街には中国語の看板があふれ、観光客もいっぱい。中国資本への媚びの売りっぷりは半端なかった。

コロナが始まってイタリアの学校がアジア人を閉め出し始めたりしたが、あんだけ観光収入に依存していてEU内でも経済破綻でお荷物と言われている国が、中国を失ってやっていけるのか。中国人観光客に暴言を吐き脅した輩が即逮捕されたのは観光収入に頼り切ってるローマだった。

 

2月は私は中央アジアとコーカサスを回る旅行をひたすら考えていた。3月にスペインを出て、8月までの5ヶ月、トルコ→コーカサス→イラン→中央アジアの〇〇スタン系。シルクロード・・うっとり。15年以上憧れ続けた場所に行ける。

 

イランはコロナの前にアメリカとの関係悪化で外務省が渡航レベル3(中止勧告)にあげ、スペインに6月まで入れる目処もたったので涙を飲んで計画を白紙に戻した。どうやら私行きたいエリアは常に危険を伴うらしい。チベット・ウイグル・パキスタンには別の理由で行けない・・

羊「いやだって、陸路で行けるけどさ、これでテロに巻き込まれたら、警告を無視した馬鹿な日本人。身代金は払うなって世論に当然なるじゃん!実名報道されるやん!」

Y「その時には「いつかやると思ってたんですよね」ってインタビューに出るわwww」

羊「何をやるんやwww」

とアホな話をしてた社畜バックパッカーの友人はイタリアに2月末に旅行に行った。

Y「え?ベネチアそんなヤバくなってたの?カーニバル普通に見れたし知らんかったよ」

羊「今度は私がTVに匿名で出る版かあ失笑」

彼は次でも書くが、現在潜伏期を過ぎても発症していない。帰国後は普通に東京のエクストリーム通勤に身を委ねていた。

・・ダメでしょ。

 

 

差別が始まったお

日本での中国への風当たりは強い。そして海外ではアジアへの風当たりが強い。

中国人がこうもりやタケネズミを食べてる写真なんてかなり初期からずっと出回ってた。これが原因という何の根拠も示せないうちからずっと。感染源が特定されてから規制がかかるのはわかる。生レバーとかね。でも医療は統計が全てと思っている身としては、なんの根拠もないうちはただのデマ。憶測に過ぎない。憶測で鬼の首を取ったかのごとく中国人を責めてる人、頭大丈夫?

 

そもそもネットでの差別や暴行事件。本気で「ヤバイ!コロナ感染者だ!」って思ってて殴りに行ったらただの馬鹿。口を押さえて離れた方がいいでしょう、わざわざ感染者に近くの?

アジア人が差別される理由にも中国人が殴られる理由にも何にもなってない。わざわざ茶化す動画を作る為に盗撮したりね。元々アジア人蔑視、中国人蔑視の人にいい餌、excuse を与えただけです。

 

それに「いや、気持ちわかるよ、中国人は日本からも出て行って欲しいもん」とか加害者を擁護する人、スペイン、ポルトガル、イタリア、アルゼンチンの顔の違いわかる?そもそもラテンとゲルマンとスラブならわかる?欧米人からしたらモンゴロイドなんてみんな同じで、ある日いきなりコロナと難癖つけられて殴られるかもしれない恐怖が身近にあるコメントではとてもない。

「だって私は日本にいるから」というなら海外に旅行に出ないで。ヨーロッパ擁護、羨望の人に限って擁護するみたいだけど、こっちにきたらあなたが庇った人間からいきなり下に見られるよ。

欧州は自分の意見をしっかりもって、意見を言う人間が尊重される土地です。strong character は褒め言葉であって、それが悪くちになるのは女は従順であればいい、上司には媚び諂わなければいけないような考えだからだと思う。

 

だいたい私は他国の文化をリスペクトしない奴が大嫌い。受け入れる必要もないし、迎合もしなくていいけど、文化を文化として認めたらどうか。不味いものは不味い(リコリスとか)けど、でも彼らは好んで食べてて、理解できない味覚とその国の歴史があるでしょう。

「え?生卵食べるの?気持ち悪・・病気にならない?日本人へんなもの食べるね。私?絶対試したくない」

は海外出た瞬間言われます。別にいいです、その方の国では卵を安全に食べれる事はありえない事だから。納豆も鯨も無理なんでしょうね、ガチョウに無理矢理餌つっこむフォアグラのが残酷だと思うけど。

 

文化と言えば、海外では行儀が悪かろうと、私は日本料理屋や寿司やに行ったら食器は手で持って、味噌汁は付属のスプーンなんか使わずおわんに口をつけて飲みます。変な目で見られようと。私がネイティブ。好きに食べりゃいいけど、平皿にでも盛られない限りスプーンで味噌汁飲むなんて間抜けな事はしたくない。笑えるけど、ヨーロッパで味噌汁頼むとスプーンつくからね、日本人行きつけ店以外。 

 

ハッ、脱線してしまった。もうこういう差別は煮えくりかえる、まじで。

私は幸いそういう事例が少ないほうだけど、ヨーロッパでとにかくしょっちゅうあるのは、私に中国人か聞いてきて、日本人と答えた瞬間態度が変わる事。

私が日本人だろうと中国人だろうとあなたに関係ないでしょう。日本人は礼儀正しいからとか言ってくる人もいるけど、もう中国人蔑視の言い訳にしか見えない。

中国人=礼儀が悪い、みたいなね。団体で来てるならともかく、個人で来てて英語が話せる若い中国の子たちはマナー悪くもないです。迷惑をかけられてから、うわっつ◯◯人か、納得。ならわからないでもないけど、初対面で態度がコロッと変わる。

信用ならない人間とその場で判断します。私の個性も人格も見ずに、日本人女性=大人しくフレンドリーでイージーとでも思ってそうだから。あなたが嫌ってる中国人よりよほど攻撃的な人間ですわ、私は。

ステレオタイプで判断されて喜ぶ日本人にも警鐘を鳴らしたい。そんな安い理由で喜ばないで。

 

 

 

アジア人差別されたお

いつものスペインのスーパーで買い物をしていて、クレカでの支払いに手間取った。私のクレカの設定上も問題で。手間取っていると隣で並んでいるおっさんが

害「virus..」

と小声で言ったのを聞き逃さなかった。

羊「Que? 何?」

羊「What did you say me? Again!! おい、何ていった?もう一度言ってみろ」

レジの若いお姉さんはうわっこのおっさん何言ってるのって顔でしかめておっさんを睨んでる。

害「Sorry. OK, Ok 」

羊「・・チッ(舌打ち)」

私の態度は最悪に攻撃的だった。私の勘違いなら、ここまで若い女の子にあからさまに睨まれ舌打ちされたら、抗議されてただろう、なんて失礼なんだと。されなかった。

謝って日和るくらいならはなから言うんじゃない、こっちはもし喧嘩になったら警察まで呼ぶ覚悟だった。力では敵わないけど、レジのお姉さんは一部始終を聞いてるし、スペインは大っぴらに差別を許す国じゃない。言い返されてたらレジを止めようが激怒したと思う。

 

私は郊外のラテンアメリカの移民ばかりの地区のスーパーで買い物してる。観光地ど真ん中で買い物してるわけじゃない、どうみても観光客ではない。マドリッドには中国からの移民が多く、中華街もある。コンビニがないスペインではchina shopは100均の感覚でどこにでもあるし、格安洋服店も大概中国人経営。彼らは勤勉で、英語は話せなくでもスペイン語は完璧。

私が嫌なら別のレジに並べば?わざわざ小声でいうあたりが陰湿だ。

 

帰ってすぐにエクアドル人ルームメイトに話した。

N「多分あなたがスペイン語がわかるって知らなかったんだと思うよ」

羊「英語もスペイン語も日本語もvirusは同じだよ笑」

N「笑。人によっては南米も差別してくる。でも南米を滅茶苦茶にして沢山殺したのはスペイン人だからね。でも、私の友達はいい人。いいスペイン人もたくさんいるよ」

 

 殴られたわけでも、動画を撮られたわけでもなく、たった一言(しかも小声)だったけど、怒りと差別への恐怖は残った。自分は外国では弱者で、排除される対象になったら誰も守ってくれない。殴られたり、面と向かって言われた人はどれほどの恐怖と屈辱だっただろう。誰もが自分の民族の誇りをもっている。

 

ストレスが溜まると美味しいものが食べたくなる。散々迷ったが、アジア人街に買い出しと中華を食べに行くことにした。

久しぶりに市内中心部に出たが、いつも通りだし、メトロでは自分の隣にも人は座ってくる。中華街でも閉まってる店は当時(2月)はまだなく、アジア人以外の客もしっかりいた。

 

私の習い事の先生や仲間は私が全く日本に帰ってないのを知っている。家族は大丈夫?と聞いても、くしゃみをしたからといって何かあるわけではない。(今、3月は教室自体が閉鎖された。「咳するなら欠席」どころじゃなくなった)

 

結局このコロナは多くの人の差別感情をあらわにした。ほとんどの人は普通に接してくれるけど、どの国にも一定は頭のおかしいのがいる。どんな先進国でリベラルな国だろうが、男尊女卑も反同性愛者も差別主義者もいる。先進国で良かったと思うのは、その国の一般的なモラルと法律が差別を許さない事だ。

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