最終日の続き。夕方からは今までお世話になった友人との合流予定。
友人合流・サプライズ
私の宿泊ドミはコペンハーゲン中央駅から徒歩5分。友人Dとは駅待ち合わせが多かったのだが、この日は「ドミトリーで待ってて。そこに行くから」とLINEが入った。
物価の高いデンマーク。初日にドミまで送ってもらって以来、「共有スペース・・部外者入れるじゃん(バーを兼ねている)」と、SIM設定から雑談から、カフェ代節約にドミ共用スペースをおもいっきり活用させていただいた。ので、彼は当然のごとく場所から全て把握している。
眠いので到着LINEまで部屋でごろごろし、待ち合わせに降りると
「これ、デンマークのチョコレート。良かったら食べて」
とチョコレートのBOXを渡された。
「え、いいの!?ありがと~!!!」
お礼をしっかり言い、ありがたく頂いて取りあえず部屋に置きに戻る。
やっっぱりか!いい年齢なので予想していたとはいえ、かな~り嬉しかった。
この友人の金銭感覚がデンマーク的なのか本人の育ちなのか知らないが
・服にお金をかけない
・日ごろ贅沢をしない(今は私を案内してくれるので、飲食店に行くだけ)
・食べきれない分は包んでもらう
普段贅沢はしないが、交友費には使う。旅行などにもちゃんとお金をかける。
こういう人は日本にもいるけど、私には中々難しい事なので、見かける度に見習いたいと思う。
なにより嬉しい理由は、Dが一度も「彼氏いるの?結婚してる?」などと聞いて来ないことだったりする。
クリスチャニアへ
D「さあ、どこへ行きたい?」
羊「クリスチャニア行った事ある?行ってみたいんだけど」
D「あそこ?2回ほどあるけど、ドラッグ売ってるところだよ?」
羊「ヒッピーの自治区だっけ?そこであってる。行きたい」
じゃあ・・と言う事で連れて行ってくれた。チボリ横を通り・・橋を渡り、まずクリスチャンハウン地区へ。
「待って!ここも写真撮らせて!」
↓↓
*救世主教会
救世主教会はらせん状の尖塔が特徴的で、コペンハーゲン内でもかなり好きな建物。この尖塔は登る事ができるらしい・・開館時間なら。
D「入れないか聞いてくるよ」
このダメ元精神は凄いなと素直に思う。
D「もう閉まってる。残念だったね」
羊「大丈夫。たぶんまた来るから。今回は写真だけ」
この救世主教会すぐそばからクリスチャニア。
D「あまり治安は良くないよ。今は日があるし観光客もいる時間だけど、夜には殺人とかたまに起きるよ」
羊「ナイフで?銃で?」
D「どっちも。TVで見る」
羊「デンマークって銃所持の簡単な国?」
D「厳しいよ。僕は銃は嫌いだ」
違法として銃が出回るのはどこの国でも防ぎようがないが、合法的かつ簡単な所持は危険だ。毎月乱射事件の起こるアメリカは未だに西部劇の時代を抜け出せない。日本では猟銃所持はガンロッカーが絶対必要だが、「憲法で銃を所持する権利があるからね。どこに置こうが自由だし、所持法は家庭によるよ」と出会ったアメリカ人から聞き、心底アメリカに生まれないで良かったと思った。
銃自体に興味がない訳ではないので、いつかちゃんと習おうと思っていることも、ベトナムの射撃場でライフルを試したことも黙ってた。
羊「デンマークって徴兵あるよね?」
世界でも数少ない徴兵制のある国デンマーク。一言で徴兵と言っても、国によって期間も制度もかなり違う。デンマークは男性のみ、期間もかなり短く(通常4カ月)、人数もかなり少なく(不適合だったり、抽選で落ちたり・・しかも確か拒否可能)、最近は志願者のみ行っているとかでかなり緩い。
D「僕は大学院まで行ってるから、人よりも順番が遅く来る。で、抽選に落ちたからまだ徴兵に行った事はないよ。僕の友達は行ったけど。日本はあるの?」
羊「日本は徴兵制じゃない。お隣韓国は2年あるけど」
クリスチャニアへ②
クリスチャニアとは1971年に誕生のヒッピー自治区。
壁はアートで埋め尽くされ、観光客も実際多く、クリスチャニアの門の向こうも変わらないデンマークの曇り空だった。
ルールが無いようでルールがちゃんとあり(笑)、「大麻(マリファナ)以外のハードドラッグ禁止」や「暴力禁止」など色々看板があり、「写真禁止エリア」も。
トラブルになったら彼を置いて逃げよう。
と、恩知らずな事を考えていたので、トラブル防止にスマホもしっかり鞄にしまう。ので、写真は1枚もない。
もちろん、禁止エリア以外では写真は撮っていいし、「・・そこ禁止やない?」という場所で撮ってる観光客もいた。これは自己責任の範疇でお願いします。
私が止めておいたのは、「精神的に旅している人間を一切信用していない」からだ。ドラッグのみでなく、酒も、メンタル関係も。本人が本来いい人だろうが、本人が制御できない状態を旅している人は、いつどういう行動にでるかわからない。
屋台では葉っぱを売っている。屋台の店主と客となごやかに談笑している。
D「マリファナの匂いがするの、わかる?」
羊「わかんない。風邪気味で。でも何を売ってるかはわかるよ」
D「ドラッグ興味ある?」
羊「興味はあるよ、ゼミの恩師が危険ドラッグの研究も担当してたから。おかげで試す気にはならないね。煙草も嫌いだし。お酒は飲むけど」
D「その方がいいよ」
クリスチャニアは面白い場所だとは純粋に思う。日本でも、通常の海外旅行でも見られない物がここにある。特に変わらないんだけど、何かが違うというか。平和的に屋台でドラッグを売る姿自体が違和感のあるものというか・・。
ツアーもあるようなので、敷居も低く参加できる。そこで何をするかは、自己責任。
「個人の主義や主張は勝手!」by エリナ・ジョースター
私の主義はマリファナを含むドラッグ拒否です。
ニューハウンへ
クリスチャニアからぐるっとまわり、橋を渡ってニューハウンへ。途中の道のりは人気がなく、日は出ていてももう8時近い。「何かあったら彼を置いて・・」と歩いていたら、前方に茂みに向かって立っている男性を見つけた。
思わず笑いだしてしまった。
D「え?え?なんでそんなに恥ずかしがってるの?シャイだね」
いや、出来れば見たくない光景だし、この治安よくゴミも少ないコペンハーゲンでも男性の立ちションはあるのかと思うと笑えてきた。
カラフルなクリアボード?のついた橋。
運河沿い。今日も曇り空。
D「どっか座る?」
と入ったILLUM(デパート)のカフェ。ストロイエの広場が見下ろせる。
もう今更思い出せないが、カフェで談笑し、夕食を食べ、ドミで消灯時間(0時)まで話し解散した。
偶然旅先で出会っただけの日本人に良くしてくれてありがとう!私のデンマークのいい印象は半分以上彼のおかげだ。
明日は朝から列車でスェーデン・ストックホルムへ。もらったチョコレートは車内でのんびり食べようと思う🐑🌈