羊の世界放浪譚

女一人旅・ワーホリブログ❤︎現在色々工事中。

ベラルーシ*2019*ミンスク〜ベラルーシ戦争歴史博物館

ソ連軍物天国のベラルーシ。他の旧ソ連(ロシア以外)がソ連時代への恨みたっぷりにKGB博物館を打ち出しているのに比べ、ベラルーシは親露的に博物館を展開。迫り来る極悪非道なナチスドイツに対し、僕らはこれだけ頑張った。そしてソ連からよく戦ったと褒められ表彰された。・・的なニュアンス。国籍意識は超絶デリケートな問題なので、あくまで私の感じた雰囲気。だいたいこういうのは史実+politicsが入るから完全に正しい訳でもない。

 

日本は群雄割拠した戦国時代、GHQに占領された戦後も独立を保ってきた。ひとえに「支配者認定機関」という世界的にレアな生き残り方をした皇室のおかげ(バチカンも同様)。そんな国に生まれた平成世代羊、愛国心と日本人としてのプライドはかなり高い。第二次大戦中にドイツから名誉アーリア人とか貰ったそうだが、「チーン!クシャクシャ。ぽいっ」の心境。他国からの「表彰」は何か上から目線に感じる。・・感謝なら嬉しい。

 

当時はロシアとベラルーシは一つのソ連という大国だった。そして実際にソ連という自国の為に戦い、国から表彰された。その後ソ連崩壊したわけだから、他国から表彰ではないが・・この辺りの感覚は島国かつ世界最古の歴史を誇る日本人羊は理解できない。ロシア人とて強国ロシアのロシア人として生まれるのと、少数民族として生まれるのと(ロシアは多民族国家)、ロシア領〇〇に生まれるのは違うだろうけど。

こういう微妙な感覚と感じ方が知りたくて、色々な人にちょこちょこ話を聞くけどいまだ掴めない。

 

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現在パソコンは拠点地に預けて、iPadとiPhoneで放浪中。そして、あいかわらずはてなスターが押せません・・数少ないマニアックで戦争系ばかり語りたがるこんなブログに訪れ、スターを下さる方々。お仲間ですね(`・ω・´)!

数ヶ月先、あなた方のブログに大量の星が着いたら、無事拠点地に戻った証です笑

 

 

 

 

ミンスク町歩き

朝、ミンスク中央駅へロシア人の友人Zと。

Z「ロシア・ルーブルからベラルーシ通貨に換金してくる。君お金ある?僕は今日帰るし、もし足りなくなったら払ってもらう事になるかも・・」

羊「大丈夫、持ってるし私はこの後もベラルーシを回るから」

彼が言ってるのは金を貸せではなく、ひょっとしたら君の分を払えなくなるかも・・である。

彼を待つ間、横の売店で水を買って飲んでいた。ベラルーシのミネラルウォーターは塩気の強い味がする。特にガス入りは。

彼はアレルギー持ちらしく、ミネラルウォーターも物によってはダメ。それ、日本のような軟水の国で暮らした方があうのでは?


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中央駅二回には渡り廊下があり、Gates of Minskが正面に見える。 


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ヨーロッパ的な塔にソ連を代表する鎌と槌のマークが輝いている。

 

水の話で思い出した。ドミでお湯が出なくてたらいにお湯をためてる話をすると

Z「モスクワは毎年夏に水道管の検査をするんだ。じゃないと冬に破裂するから。で、その検査の2週間、水しか出ない」

羊「え?今年どうするの!?」

今年のモスクワは記録的な冷夏、15度とかの世界である。他のやり方無かったんだろうか。よくそんな寒い土地に住むなと思うが、向こうもよくそんな災害の多い土地に住むなと思ってるかもしれない。


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ミンスク中央駅。

 

トラムでタウンホール付近まで行き、そこから川沿いに歩く。
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このカルチャーセンターの天井が可愛い。海外で建物より天井を見るのが好き。 

 

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今日は天気が良く、舟遊びを楽しむ人も多い。
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ベラルーシは緑が豊かだ。スヴィスラチ川の向こうは涙島とトラエツカヤ旧市街区。

 

博物館が見えてきた。
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この広々とした道路、立ち並ぶ団地、平地なので広い空。他のヨーロッパではなかなか見れない。 

 

 

ベラルーシ戦争歴史博物館①

歩き方では大祖国戦争史博物館と表記。
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ベラルーシ🇧🇾、ウクライナ🇺🇦、モルドバ🇲🇩は歩き方ロシア版におまけ程度しか載っていない(それでも他よりマシ)。詳しくはロンプラの方がいいかもしれないが、私は写真が見たい。しかも電子化されてないので、わざわざPDF化を親に頼んで送ってもらった。頼むから全て電子化してください、歩き方編集部!帰国しない人間も多いんだ💦

 

ベラルーシ本を探していたら・・懐かしい!

 

小さい頃に読んだなあ。スズキコージさんの個性的な色使いの絵が今見ても素敵❤︎

 

 

さて。モニュメントに近づいてみよう。
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翻訳してもらったが、忘れた。日本は敗戦国なので、戦争の悲惨さを繰り返さない為に的な博物館ばかりである。その為、ベトナム(戦勝側)のクチトンネルで見たビデオの内容は衝撃で忘れられない。「残虐なアメリカ軍はベトナム人をこれだけ殺し云々・・このベトナムゲリラの子供はアメリカ兵を何人殺した英雄であり云々」と日本語訳で見せてもらった。清々しいな!

戦争はあくまで外交手段の一つであり、暴力は無い方がよいが、国際法違反では無い。ましてや国が決めた戦争の善悪と国の為に戦った兵士への敬意・感謝・慰霊は別物だと思う。毎年靖国に参拝がどうのと話題になるが、話題になる事すらおかしな話だ。

「勝たなきゃゴミだ!」

某名台詞が聞こえてきそうである(香川照之氏の声で)。


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いちいち五芒星にこだわるベラルーシ。


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対アフガンに比べれば、対ドイツは防衛戦なのでもう少し素直な心で見れる。

 

HPはこちら↓↓

http://war.museum.by/

入館料+撮影料が必要・・だが、彼持ちなので払ったか知らない。入ってすぐに年表と共に簡潔に第二次大戦までの歴史が示されている。

英文解説が少ないので、資料を眺めるだけになりかねない。彼が年表ごとの歴史を説明してくれた。日独伊三国同盟など、日本がちらほら出てくる。ベラルーシは当時ソ連だった。そして、現在のポーランドとの国境の街、ブレストが最前線。

 

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足元に年表が示されている。

 

中はかなり広く、内容も充実。
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ベラルーシ戦争歴史博物館②

彼はだいたいソ連とドイツの違いがみたらわかるそうだ。戦車も飛行機も軍服も写真も。私から見たら、ヨーロッパ人はだいたい同じ顔に見える。写真をみて何でドイツ側かソ連側か見分けてるの?と聞いたら「顔。次に服や階級章」と言われた。

 

黙っていたが、ソ連の軍服はなんとなく貧しい。対するナチスドイツの軍服は洗練度合いが段違い。さすがヒューゴ・ボス。まああの時代、各国の主要産業で軍事に関与してないものはないだろうから、=ナチス賛美のブランドとは違うけど。

特にSSは群を抜いてカッコいい。「やっべマジカッコいい」「あれ、女の子にモテるんじゃね?」的な若者を多数取り込むには効果的な衣装だ。

 

Z「元々ロシアはヨーロッパ1豊かな国だったんだ。ソ連にも良いところはあったが、僕は失敗だったと思ってる」

プライドが見え隠れする彼相手には本音はとても言えない。羊自体が「韓国は経済的に豊かな国だよね」と言われ、「え?韓国が?(日本の方が上だけど)」とプライドの塊なので喧嘩は避けたい。

 

この2日間、領土問題と日ソ中立条約、シベリア抑留については一言も話していない笑。


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豊富な写真、地図。


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戦時下のお金?など。

 

欲を言えば、戦況図を出して欲しい。

吹き抜けには戦車や人形を使って再現。
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CCCPはソビエト社会主義共和国連邦Союз Советских Социалистических Республикの略。実は今まで知らなかった・・
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焼夷弾?で焼けた軍服や街の写真。


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空襲から逃げる住民たち。元々田舎で長閑な場所だった事がよくわかるイラスト。着ている服はこの地方の伝統的な衣服で、土産物屋でよく売っている。ベラルーシ、ウクライナなどの各地の違いはよくわからない。


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スターリンラインで食べたポリッジ供給だと思われ。

 

のんびり座り、解説してもらいながら回っていたら、閉館あと15分と言われ、後半は写真撮りながらの駆け足になってしまった。


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この絨毯はどこに飾るのだろうか・・


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ユダヤ人はポーランドに限った事ではない。世界中に散らばった民族であり、ナチスドイツの進行と共に占領地から「輸送」が開始される。

輸送対象はユダヤ人、ジプシー、心体両障害者、同性愛者。共産主義者・・等々。

Z「ロシア人もだよ」

・・それは捕虜ではなくて?それとも共産主義者として(国自体が共産国家なのに)?この違いが今一わかっていない。


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見覚えのある顔だなあと思ったらヒムラーじゃないか。対峙する青年の眼光の鋭さと度胸が凄い。


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パルチザンについても展示あり。

パルチザンはレジスタンスとほぼ同義語で、この場合は赤軍パルチザンについて↓↓

第二次世界大戦中のソビエト連邦のパルチザン、特にベラルーシでのそれらのパルチザン行動は、効果的にドイツ国防軍を攻撃し、彼らのその地域での軍事行動を著しく阻止した。結果として、ソビエト連邦の支配がドイツ占領下の地域に再び深く確立することとなった。パルチザンのコルホーズが食料を得るために穀物や家畜を育てていた地域もあった。しかし、この例は一般的ではなく、パルチザンは地域の全住民から時として強制的に物資を徴発した。(Wikipediaより抜粋)

 
 


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兵器の製造や


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医療。


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無線など。

 

ベラルーシを支配したナチスドイツの高官を暗殺したり、列車を爆発したり。活躍は多岐に渡る。


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日本についての展示もあり。
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時間がないのと、どうせいい事書かれてないだろう・・てので写真のみ。

 

ドーム状の建物の内部↓↓
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各地名と亡くなった方々の名前が壁一面に展示されている。


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以上、ベラルーシ戦争歴史博物館。他の国と比べても見劣りしない充実さ。国境の街ブレストにも戦争博物館は多いが、弾丸で時間がないならミンスクのここ(とスターリンライン)でも十分かもしれない🐏🌈

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