羊の世界放浪譚

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ノルウェー*2018*オスロ~ホロコーストセンター~

ホロコーストセンターがあるビィグドイ地区については別記事に。

 

*ホロコーストセンター

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ここ、第二次大戦中のみならず、詳しくユダヤ人虐殺の歴史を教えてくれる。チケットを買うと、iPadも貸し出してくれ、ノルウェー語話者以外はiPadで解説を見る。言語は10種類から選べ…中国語はあるのに日本語は無かった。英語を頑張って翻訳しながら見学。知らないことを知るのは面白い。

 

 元々歴史好き、特に明治以降の歴史・戦争史が好きなので、軍事博物館系はまず行くようにしている。このヨーロッパでは軍事・コミュニズム・ホロコースト関連は色々まわった。

そして、知識として理解しようとしても、感覚として理解できない。

・・・なぜこんなにユダヤ人は嫌われたのか。

 

展示によるとナチズムによって迫害・大量虐殺されたのは、ユダヤ人Jews。他に、ロマRoma、スラヴ人Slavs、障害者people with disabilities、同性愛者homosexuals、エホバの証人Jehovah’s Witnesses、共産主義者communists…など。

 

ユダヤ人迫害の歴史はナチスが最初ではない。古くは出エジプト記(有名なモーセが海を割って逃げる話)や、バビロン捕囚から。ヨーロッパで有名なのは、1066年から始まるスペイン・グラナダ虐殺、イギリスでの虐殺、十字軍による虐殺、ボヘミア地方…帝政ロシア…いや、キリがない。

例えばpogromとは、ロシア語の破壊が語源になっており、集団的・計画的虐殺を示す。主に19〜20世紀にかけてロシアでのユダヤ人虐殺に対し使われる。言葉が出来るほど、大規模かつ有名な事になっている。

今はイスラエルでまだ揉めてるし。

 

ここまで迫害される理由は何なのか…ユダヤ資本、ユダヤ教(ユダヤ人の為の宗教)、キリスト殺害の罪…どれもこじつけの気がする。根本にあるものは何だろう。

 一つ思うのは、宗教の中でもキリスト教の歴史はえげつない。イスラム教にはまだあった寛容さがない。上にあげた土地が全てキリスト教徒の土地と言うのも関係がありそうだ。

 

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顔の形、鼻の大きさ形などで優性かどうか判別・考察しようとする・・


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ヨーロッパ中から集められるユダヤ人。スイスやスペインが真っ白なのは大陸にありながら最後までナチスの直接的な手が入らなかったから。


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「神々のいない戦場で、命を数字に置き換える」ヒストリエ、岩明均様著より。どうしても数字で見てしまいがち・・でも勿論一人ひとりの人生がある。

 

 

適切な言い方が難しい・・が、このパネルだけでも、ナチズムの狂気や執念が感じられてならない。

人種や宗教で漠然との差別ではなく、わざわざ物差しで測って区別しようとする・・・凄く手間じゃない?納得できる理由をこじつけようとしているようにしか見えないけれど、本人達は真剣に考えているのだろう。そういう時代だったと、一言で済む話なのか。

 

ヨーロッパ中からの移送も、その場で虐殺ではなく、わざわざ移送。もちろん劣悪な環境で亡くなる方も多かったが、移送ルート、アウシュビッツ(オシフェンチム)だけでなく中継キャンプ。人を動かすというのは物凄く労力のかかることだ。

 

少し話がそれるが、第二次大戦中の「バターン死の行進」、日本軍が炎天下に長時間捕虜を歩かせた事からバタバタと死者を出したことは有名だ。これについて「アーロン収容所」で会田雄次氏は「日本人は歴史的に見て、自分達より多い数の生き物の管理、つまり放牧という経験をしてこなかった」という事について意見を述べられている。これは私には目から鱗だった。羊を移動させるには、思い通りに少ない人数で動かすためのノウハウ、適切な水や食料、急速の確保を考えなければできないと。名前をつけて1頭1頭に愛着を持つ酪農スタイルと、何百頭を数人と牧羊犬などで管理することは違うんだと。

 

この第二次大戦では、文化と価値観が大きくぶつかり合った。相手の文化・得て不得手を知らずに一方的に善悪の区別をつけて非難することはたやすいが、何も解決しない。

捕虜の移送もうまくいかなかった(計算外だった、トラックの手配が出来なかったなど色々な説がある。そもそも、東南アジアは日本人のテリトリーではないので、マラリアに対する適切な対応なんか未知の経験だ)日本人。戦時下でおきた投稿と、自らユダヤ人を集め、強制収容させるのは全く違う。

 

ホロコーストに関する知識を集めるたびに、物凄い「執拗さ」を感じてならない。自分なら、こんな大規模かつ手間のかかる面倒なことをしたいか、と。そこまでするだけの憎しみや差別感情が自分にあるのか、と。

 

ただ単純に虐殺なら短絡的・衝動的・非人道的でもまだ実感できる。この執拗なホロコーストはまだ理解できない。

 

 

 

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